事業譲渡の契約手続きとは?




事業譲渡の契約、手続きとは?そうしたポイントの解説

事業譲渡とは言葉の通り、事業を譲渡する事ですが、具体的に事業とは何を指すのか?譲渡とはどの様な手続きの事を言うのか?など、そうしたポイントを法律上の規定や判例を基に簡潔に解説します。




そもそも事業譲渡とは何か?その定義

実は「事業」の法律上の明確な定義はありません。(○○法、といった個別の法律で定義付られている訳ではないのです)

実務的には最高裁の判例の中で明示された「利益を上げる為に組織化され、有機一体として機能する財産・利益を生み出す仕組みを、第3者へ個々に譲渡(売却)する為の手続き手法」の事が事業の定義として引用されています。


判例上の定義を簡潔にまとめて表記しています。

譲渡契約の手続きとは何か?法律上の規定のポイント

事業譲渡で言うところの「譲渡」とは、第3者との契約によって特定の事業を「売却する事、その為の方法」とお考え頂ければ結構です。

事業譲渡は特定の事業を切り出して売ったり買ったりをする事が可能な売買契約である為、事業を売却後も会社そのものはそのまま存続させていきたい場合や、不採算事業等から撤退したい場合は最適な手法です。

ただし、譲渡資産は「重要な財産」と判断されますので、契約締結に関しては取締役会の決議が必要となり、その内「事業の全部」又は「重要な事業の一部」を譲渡する場合には更に、譲渡契約の発効日の前日までに株主総会の特別決議が必要となります。


重要な事業の一部とは

譲渡対象となる資産の帳簿価額が譲渡会社の総資産の1/5を超える場合に「重要な事業の一部」に該当します。

株主総会の特別決議による承認が無い場合、譲渡契約は原則的に無効となります。




事業譲渡の対価と算定方法は?

対価の算定方法

譲渡対象の事業(及び資産)の時価を基準に算定します。それに規定年数の営業権を加えて譲渡価格を決定していきます。



勿論、最終的には相手方との交渉にて譲渡価格が決定される事になりますので、譲渡側だけの算定作業だけで決定される訳ではありません。

対価の支払い方法

対価としては通常金銭が支払われる事が多いですが、株式等、金銭以外のものによる支払になる場合もあります。

ただし、その場合は現物出資の扱いになり、裁判所が選任する検査役の調査が必要となる点や、中小企業の譲渡手続きの場合は売却益としての金銭が必要な場合が多い為、金銭支払い以外の契約形態はお勧めしません。

株主総会の特別決議がいらない場合

1/5を超えない簡易事業譲渡に該当する場合

譲渡の対象となる資産の帳簿価額が、譲渡会社の総資産の1/5を超えない範囲である場合は株主総会の特別決議は必要ありませんが、実務上の観点から、明らかに該当しない事が明白な場合以外は、後々の紛争を予防する意味から特別決議を経ておく事をお勧めします。

略式譲渡に該当する場合

譲受会社が譲渡会社の特別支配会社である場合(譲受会社が譲渡会社の議決権の9割以上を保有している場合)、略式事業譲渡に該当し、その場合の契約手続きには株主総会の特別決議は必要ありません。

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